【初心者向け楽器について】

自分の楽器選びはこれでいいのかなぁ、とか。 これから新たに楽器買って始めてみようかなー、という方のために。 

※楽器=ギターやベースを指してます


 FBで楽器の売却を試みたところ、ありがたいことに色々とご質問を頂いたり、ご相談乗らせてもらったりしております。

 元々、その前日に、むかーし(25年前)のバンドメンバーと話す機会があって、息子にやっすいベース買い与えてんけど、自分(ボーカル)は全く楽器のこと知らんかったんや、て思い知った、みたいな話から、安い楽器のメリットデメリットを伝えたりしてて。 

前日にそんなことがありつつ、部屋狭くなってるし、ちょと整理するかー、なんて、昨日は思い立ったわけで。 

質問や相談の中に面白いのもあって、ちょとシェアしても良いかな、と思った個人的見解がございます故、特に安い楽器は初心者の方が使うことが多いであろう、という前提で、参考になればと思いまして、お伝えしていきまーす!

 前半部分は「○○が○○という食材でパスタ作ってる」に置き換えながら読み進めてもらうとわかりやすいのではないかと。 


【高い楽器が高いのはなぜか】 

金属パーツや電装パーツのクオリティは大きく値段には影響しません。高いの使っても差がしれてます。

 価格に大きく影響を与える3つの要因は

 ①どんな木か

 ②誰がどこで作ってるか

 ③希少なデザイン性(企画料や、設計図、作業工程の構築などのコスト) 

(④単純な希少価値、骨董的価値) 


です。 逆に安くなる理由を挙げていくとわかりやすいので、ここから逆転させますが

 ①適当な木材で

 ②某国の工場のパートのおばちゃんが

 ③ありきたりのデザインのものを

 作った、てなると、「安そ~!」てなるでしょ?

 量産型の安い楽器は、ざっくり言うと、こんな感じで作られてます。 



 【安い楽器が安い理由】

 高い理由の裏返しです。大きく3 つ。

 ①木材の選定、切り出し方、乾燥にかける時間などが高いものに比べて劣る

 ②高い技術を持って作業にあたるビルダーが作ってるわけではない

 ③有名ブランドの有名モデルを模した物がほとんど(設計図や作業工程が出来上がっている)

 てことです。 

①については、良い楽器にしようと思えば思うほど、一本の丸太から、一番良い状態で木を切り出そうとしますし、そうすると切り出せる数は減るわけです。

 そもそもその木材の種類や質による価格差もあり、原材料費が変わる、てことです。 

安い楽器に使われる木は 

・この~木何の木?どっから持ってきたん?まあいっか。 

・とにかくたくさん切り出せるように切ったろーぜ。向きとか気にせんでえーし。 

・乾燥とか待ってらんねーしな。ちょっと湿っぽいけどまーいーか。 

てなことのオンパレードで作られるわけです。 

簡単な話、出来上がった後、木が変形したり割れたりするリスクが高く、「長持ちしない可能性が高い」てことが、①によるデメリットです。

長寿を目指して作られてません。 

下手したら出荷して楽器屋に置いてある段階で、とか、家に連れ帰ったらソッコー、でトランスフォームを始めちゃったりもします。

 ②については、高い技術をもって調整をすればするほどコストが上がるので、「最低限しかしていない」てことにつきます。

極端な話、見た感じ楽器になってて、押さえてみて弾いてみて、音が出りゃOK。

 簡単に言うと「弾きにくい」わけです。

 追い込んでギリギリ狙ってセッティング、丁寧な処理してると、そもそも工賃が上がる上に、ミスると作り直しとか、音が鳴らない不良品になるわけで、メーカーは損なわけです。

 弾きにくい=不良品では無いので、わざわざ手間かけて不良品になるリスクは取らない、てことです。

 色んな要素が複合的に絡み合いながら、個体差がめちゃめちゃ大きくなってしまう、というのが安い量産型楽器の特徴です。

 あたりはずれがあるし、その差が大きいけど、生まれたての時に見極めるのは困難、てことです。 


【初心者泣かせの初心者モデルっていう論理矛盾】 

てなわけで、実際のところ、新品で売られてる「初心者モデル(安価な楽器)」は、初心者にはチョー厳しい洗礼を与えてくれることがほとんどです。

 ・弦高ってなに? 

・ネックて反るの? 

・ここって隙間あったりするもんなん?

 ・逆にここ、ちょっと飛び出てるような気するねんけど、こんなもんなん? 

・何かここら辺りだけビリビリいうねんけど、弾き方悪いんかな? 

・なんか手痛いねんけど慣れたら平気になるんかな? 

なんてわかんないのに、元々弾きにくい楽器が、ウニャウニャ曲がったりねじれたりするもんで、よけーと弾きにくくなってたりした日には、そら弾けませんわ。

 でも、初心者のうちて、こんなことわかんないもんだから、「毎日練習したら弾けるようになる」「努力が足りない」「慣れだ!」と思って頑張っちゃうんですよね💦。

 これ、大きな落とし穴です。 

新品で買った楽器は、まず最低限のセットアップをしないと、そもそも弾ける状態にならないのです。。。 

あなだが下手なわけではありません、楽器選びと初手を間違えてる可能性が高いです。

 そして、このセットアップは楽器を楽器たらしめる上で、絶対にかけないといけないコストでもあります。

 とはいえ、楽器屋さんも、わずか数万円の楽器に、下手したら同じ額にも迫るようなコストをかけてセットアップを施せるはずもなく。。。

 購入者も、買った楽器と下手したら同じくらいの工賃を払って、なんて、考えにくいですわな。

 ひとまず、長くやってる人に自分の楽器を弾いてみてもらうのが良いと思います。

 可能なら、そういう人が使ってる楽器を弾かせて頂けたりなんかすると良いですね。 


【価格が音質に直結するわけではないという事実】 

というわけで、安い楽器について書いてきましたが、だからといって、価格差ほどに高い楽器と音質が違うか、というと、実はあながちそうでも無いのです。 

おかんが作った食材に何のこだわりもないペペロンチーノが、意外とうまかった、みたいなことは起こり得ますwww 

音が良いから高い、高いから音が良い、というわけではない、ということです。 

もちろん、高い楽器は良い音をより長く、そして弾きやすく、という目的の元、必要な選定や作業を施しているから高い、ということは間違いないのですが。

 間違い無くいえるのは、高い楽器は安定感や安心感があります。

 良い悪い、より好き嫌いの方が正しい基準かもしれません。

 うん、でも高い楽器はやっぱ良い音します。なんじゃそらw 


【じゃあなぜ上原は安い楽器をたくさん持ってるのか】

 はい、ごもっともw 実際、ライブでこういった楽器を使うことは稀です。

 僕の持ってる安楽器は全て「中古」です。 入手してもすぐに手放してる物もそれなりにありますが、出番は無いながら居着いてる子達もそれなりにいます。

 なぜ中古しか買わないか、それはつまり①のリスクが新品より各段に低いから、に他なりません。

いや、新品を買うことを検討することも無いのですが💦

 少なくとも楽器になってから、数年、数十年、生き残ってる、という事実は、大はずれではないことの担保になります。

 僕が色んな楽器持ってるのは、単に当たり個体を所有したい、という所有欲ではなくて、劣悪な環境に良い楽器持ち出したくないけど最低限弾ける楽器持って行きたい、とかいう時のサブ要員、演奏スタイルごとにセットアップの違う楽器が必要になる場合があること、まれな要求に持ち合わせで対応できない可能性への備え、て意味合いももちろんありますが、何よりも、色んな楽器触ってると、セットアップでどこまで調整きくのか、とか、どんなセットアップしたら良いのか、とか、経験則で色々わかるようになってくるんですよね。 

プロみたく、ネックにアイロン当てたり、フレットすり合わせたり打ち直したり、とかはさすがに無理ですが、失敗しても良いような楽器で色々さわり倒してきたのは、メイン楽器のコンディション(主にネックと弦高ですが)保つのに、めちゃめちゃ役に立ってます。

あとは、たまに使うハンダゴテとか。

 置いといてたまに触ってみると状態変わってる子もおるので、またそんな子を触ってみるのも面白いです。 


【ほぼノーリスクで即売却が可能】

 中古楽器、特に量産型のものて、そもそも中古市場に相場があるので、買ってみてやっぱりお呼びでなければすぐに売ってしまえば、ほぼ同価格で売却できます。 

すぐでなくても、大きく変わることはほぼないです。 

ちなみに今は極端な円安で、中古市場相場はかなり高騰してます。 

先ほど書いた「個体差」や「セットアップされてるかどうか 」が価格に反映されにくいのは、矛盾してるとこもあるのですが、市場はまあそういうもののようです。

 傷とか見た目のマイナス要素は多少なりと値段に影響しますが、それ以上に大事と思われる「弾きやすさ」については、計測できる面もありつつも、主観によるとこや個人差もあるので、数値化しにくいのでしょう。 

 いずれにせよ、買ってすぐなら、おかしな魔改造施さなければほぼ同価格で売れますので、金銭的には実質ほぼノーリスクで楽器が入手できる、というわけです。 (買取業者を介さない前提です)

 より良い状態のものが入手できれば、心太方式に売ってしまうこともありますし。

結構躊躇せずに、えいや、で買ってました。 

そして、売った後は、買い手から「弾きやすくてびっくりしました」とか「良い音してます」とか、コメント返されることが、多少のモチベーションであったりもします😅 

ただ、やっぱ出品、梱包と発送は非常に面倒です。それで油断すると、いずれ売ろう、と思ってるだけで増えていきます💦 


【結論】 てなことが、私の頭の中と、楽器お譲りします、までの経緯です。

 簡単なことではあるのですが、「手元に来て数年経過してます」「セットアップしてます」が、プロでは無い素人仕事ではありますが、実は価値のあることだってことが、おわかり頂けたのではないでしょうか。 

ギターやベースて、始める時は、続けられるかわからへんし、とりあえず安いのでいーや、てなりがちですが、それこそが続けられなくなる落とし穴になってるのは、残念なことです。 

多分今も続けてる人のほとんどが、一本目、二本目あたりまでの楽器は弾きにくかったなぁ、って記憶があるのではないでしょうか。

みんな通る道☝️ 


ここまで書いた(なげぇな😅)文章が、ベースやってみよかな、とか、これからギター選んでお気に入りのん買いたいな、て方にも、参考になれば嬉しいです。

Smash Bit Official Website

Smash Bit スマッシュビット 愛称は略して「すまび」 2023年1月結成。ボーカルMANAと、本来はベーシストだが、すまびでは主にギターを担当する上原周平の2人組ユニット。 稀にVo.&Ba.という特殊編成でのライブを行うこともある。 お互いの音楽経験を活かし、フットワーク軽く各地で演奏できるアコースティックユニットとして結成。2人ともが大阪府北摂生まれ北摂育ち。

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